モバイル通信コラム

モバイルWiFiの寿命は何年?2つの考え方と買い替え時期の見極め方

モバイルWiFiの寿命は何年?2つの考え方と買い替え時期の見極め方

可能な限り長く使いたいけど、モバイルWi-Fiの寿命はどれくらい?

古い機種を長く使い続けるとデメリットはある?

トミー
この記事ではモバイルWi-Fiの寿命を、2つの考え方に基づいて解説しています。

だいたいどの程度の年数使用できるか、買い替え時期の見極め方などの参考にしてみてくださいね。

トミー

この記事の著者:トミー(ネットワーク・移動体通信エンジニア)

通信業界19年目、現役の移動体通信技術者です。
これまでに3Gの周波数再編や4G LTEの立ち上げ、災害で使用できなくなったネットワークの復旧対応、東京2020オリンピック・パラリンピック競技会場のネットワーク構築計画推進、BWAのエリア構築などを行い、北海道から沖縄まで日本全国のモバイル通信を陰で支えてきました。現在は5Gのエリア構築に深く携わっています。

» (筆者愛用中)5G対応でデータ容量無制限のBroad WiMAXに関する詳細はこちら

モバイルWi-Fiの寿命は何年?

①物理的な寿命

2年〜最大10年が目安

モバイルWi-Fiは「リチウムイオン電池」というバッテリーを内臓していますが、まず最初にこのバッテリーが寿命を迎えます。

交換用のバッテリー在庫を確保出来るかどうかを含め、「バッテリー交換を出来るかどうか?」がモバイルWi-Fiの寿命に大きく関わってきます。

バッテリー交換をできる場合は、メンテナンス・修理をしながら最大10年が目安です。

②規格の観点から考える寿命

2〜6年が目安

通信方式やセキュリティ上の規格など技術革新は常に行われています。

あまり古い機種を使用していると、通信品質が悪く感じられたり、暗号化などのセキュリティ面で問題が生じる場合があります。

バッテリーの寿命はおよそ2年

NEC製のルーター内部に搭載されたリチウムイオンバッテリー

NEC製のルーター内部に搭載されたリチウムイオンバッテリー

モバイルWi-Fiに搭載されているリチウムイオン電池は500サイクルの使用で寿命を迎えると言われています。

毎日、充電と放電を繰り返した場合、1年5ヶ月程で500サイクルを迎えます。

500サイクルを迎えたら直ぐに使えなくなるという訳ではなく、充電しても電池の消耗が早いといった傾向が徐々に強くなっていきます。

なお、スマホやフィチャーフォンにもリチウムイオン電池が使用されています。

トミー
使用頻度にもよりますが、だいたい2年を過ぎるとスマホの電池の減りが早くなってくるという事を経験された方も多いのではないでしょうか。

これはモバイルWi-Fiに限らず、リチウムイオン電池を使用しているモバイル端末全般の避けては通れない宿命と言えます。

バッテリー交換はできる機種とできない機種がある

HUAWEI社製 W05

HUAWEI社製 W05

写真はHUAWEI社のUQ WiMAX用ルーターですが、内臓型バッテリーを使用していて本体を自分で開ける事ができない機種も中にはあります。

その場合の電池交換は、一旦修理という形で工場に送付してバッテリー交換をしてもらう事になります。

バッテリーは消耗品のため、不具合がある場合を除き、ほとんど有償での交換となります。

自分で本体を開けられる機種は、交換用のバッテリーをショップなどで入手して、必ず電源を切った状態で交換します。

HUAWEI製WiMAX用ルーターはほとんどバッテリー交換ができません。

WiMAX用ルーターのバッテリー交換可否

自分で電池交換できる機種

【NEC製】

  • Speed Wi-Fi NEXT WX06、WX05、WX04、WX03、WX02、WX01
  • Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11

自分で電池交換できない機種

【HUAWEI製】

  • Speed Wi-Fi NEXT W06、W05、W04、W03、W02、W01
  • Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15、HWD14

【NEC製】

  • Speed Wi-Fi 5G X11

【SAMSUNG】

  • Galaxy 5G Mobile Wi-Fi

Y!mobile用ルーターのバッテリー交換可否

自分で電池交換できる機種

【HUAWEI製】

  • Pocket WiFi 603HW、506HW、502HW

自分で電池交換できない機種

【HUAWEI製】

  • Pocket WiFi 801HW

【uCloudlink製】

  • Pocket WiFi 701UC

【ZTE製】

  • Pocket WiFi 601ZT
トミー
電池パックがディスコン(生産中止)という事もありますので、その場合は必然的に機種変更をする事になります。

規格の観点からは2〜6年が寿命と考えるべき

規格の観点からは2〜6年が寿命と考えるべき

通信技術も常に進歩を遂げていて、その技術革新のスピードもどんどん早くなってきています。

規格が上がるごとに通信速度やセキュリティ上の脆弱性なども改善され、より安全で快適な通信ができるようになっています。

買い替え時期を見極めるためには、現在使っているルーターがどの規格を使用しているかを把握しておく事も大切です。

規格向上による品質向上イメージ

ルーター、接続機器間の規格向上イメージ

通信技術の規格

Wi-Fiアライアンス呼称IEEE規格名最大実行速度策定年
Wi-Fi 4IEEE802.11n600Mbps2009年〜
Wi-Fi 5IEEE802.11ac6.9Gbps2014年〜
Wi-Fi 6IEEE802.11ax9.6Gbps2020年〜

暗号化技術の規格

無線LAN通信には情報漏洩を防ぐための暗号化技術が使用されています。

セキュリティ上は、できるだけ新しいものを使用する方が望ましいです。

特にWEPに関しては古すぎて、脆弱性も多く使い続けるにはセキュリティ面で非常に危険です。

Wi-Fiの暗号化技術

  • WEP(1997年〜)
  • WPA(2002年〜)
  • WPA2(2004年〜)
  • WPA3(2018年〜)

基地局〜ルーター間も常に技術革新がある

長い年月の間で、通信事業者が提供する通信方式自体も変わる可能性があります。

具体的な例を挙げると、WiMAXを提供しているUQコミュニケーションズが、2020年に旧タイプの通信方式のWiMAXサービスを全て停止し、より通信速度の早いWIMAX2+に完全移行すると発表し、基地局設備の変更を数年かけて進めてきました。

出典:UQコミュケーションズ プレスリリース資料

出典:UQコミュケーションズ ニュースリリース資料

つまり、WiMAXのみの電波で通信をしている古いタイプのモバイルWi-Fiでは利用できなくなってしまうという訳です。

通信事業者が使う周波数帯が変われば、ユーザー側もその周波数帯の電波をキャッチできる端末に買い替えないと、使えなくなってしまうんですね。

周波数再編のような大きな事例は10年〜15年スパンで1度など、そう頻繁にはありませんが、こういったケースの場合は通信事業者が無料で新しい機種に交換してくれる事があります。

また、小中規模の改善事例を挙げると、基地局のアンテナをより高機能なアンテナのM-MIMO(マッシブ・マイモ)に変更したり、よりスループットが向上するCA(キャリア・アグリゲーション)に対応出来るネットワーク構成に変更したりなど、ユーザーメリットを考えた改善が絶え間なく行われています。

基地局側の設備に新技術が導入された場合、我々ユーザーの端末が対応していないとその恩恵を受ける事ができない場合が多々あります。

基地局側で新技術が導入された場合、ユーザー側の端末も対応している必要がある

基地局、ユーザー端末間イメージ

買い替え時期の見極め方は?

買い替え時期の見極め方は?

2年以上同じルーターを使用していて、以下の見極めポイントに該当するような場合は、バッテリー交換か機種変更を検討してみると良いでしょう。

ここをチェック!

  • 電池の減りが早くなってきた。
  • 電池パックが膨張してきた。
  • 通信速度が遅く感じるようになってきた。
  • 接続する機器の台数が増えた。
  • 大容量の通信をする機会が増えてきた。
  • 持っているルーターの通信規格が古くなってきた。

今まで1台のPC接続だけしていたのが、家族のPCやスマホなど接続する機器が増えたと言った場合や、VOD(動画配信サービス)に加入したり、大容量の通信を消費するネットゲームを始めた、などのタイミングで一度買い替えを検討してみると良いでしょう。

勝手に再起動する、途中で切れる、繋がりにくいなどはルーター自体の不具合や故障の可能性もあります。

トミー
最新機種のレビューなどを見て、現在使っている機種よりもメリットが感じられるのなら、思い切って機種変更をしてみるのも良いですね

バッテリーの寿命を最大限に伸ばす使い方

バッテリーの寿命を最大限に伸ばす使い方

リチウムイオン電池の寿命が約500サイクルとなると、この500サイクルをなるべく上手に使って寿命を最大限に伸ばしたいですよね。

トミー
バッテリーの寿命を最大限に伸ばすコツは大きく以下の3点です。

充電回数を減らす

限りある充電回数をなるべく有効に使うために、バッテリー残量が限りなく少なくなってから充電をするように意識しましょう。

これに加えて、普段使用する電力の消費を抑える事も必要になります。

ポイント

  • 使用しない場合は電源を切る
  • 電波が入らない場所では電源を落とす
  • 省電力モードがある場合は使用する
huawei w05 自動電源オフ機能

HUAWEI W05 自動電源オフ機能

電池が無くなった状態で放置しない

電池が無くなった状態で放置する事を「過放電」といい、バッテリーへダメージを与える原因になります。

長期間使用しない場合でも、月1回は充電をするようにしましょう。

高温状態を避ける

ポイント

  • 温度の高い場所に置かないようにする
  • 高負荷となる連続使用はなるべく避ける
  • 充電しながらの使用を避ける

高温状態は、熱に比較的弱いリチウムイオンバッテリーに対してダメージを与える原因になります。

連続使用を続けたり、充電をしながら使用をすると高温状態になりやすくなります。

高温状態は最悪の場合は発火の原因にもなりますので、本体が少し熱くなって来たと感じたら、少し時間を置いてから使用するなどの対策をしましょう。

まとめと結論

まとめ

物理的な寿命は最大2〜10年、規格上の寿命が2〜6年と考えると・・

モバイルWi-Fiの寿命はバッテリーを交換しながら、最大6年程度の使用が限界と考えるべきでしょう。

買い替え時期の見極め方は、2年以上同じルーターを使用していて「電池の減りが早くなって来た」、「電池パックが膨張してきた」「通信速度が遅くなって来た」、「接続する機器の台数が増えた」、「大容量の通信をする機会が増えて来た」などのタイミングで検討をしてみると良いでしょう。

トミー
少しでも長く使う事を考えるのも大切ですが、安全で品質の良い通信を考えるのであれば、常に最新の機種を使い続けるといった考えも重要ですね。

人気記事【プロが解説】テレワーク(リモートワーク)に最適なモバイルWiFiの選び方

おすすめ【Broad WiMAX】評判・口コミと実際に使ってみた感想

※当サイトでは、「モバイルWi-Fiルーターを使用したBWAサービス」のことを、一般名である「モバイルWi-Fi」という表現で統一しています。

世間一般的に浸透している、Pocket WiFi(ポケット・ワイファイ)は、ソフトバンク株式会社の商品名(商標登録名称)です。「Wi-Fi」は Wi-Fi Alliance(アメリカに本拠を置く団体)の登録商標です。

当サイトおすすめプロバイダー

編集長の一押しはBroad WiMAX!

WiMAXの中でも5G対応のBroad WiMAX(ブロードワイマックス)を断トツでおすすめします。

WiMAXをおすすめする理由

なぜBroad WiMAX?

注意点

  • 一定期間内に大量のデータ通信をした場合は、ネットワーク混雑時間帯に速度制限の場合あり
  • オプションの通信モードは15GB/月の制限あり

人気記事最強モバイルWi-Fi決定戦!現役通信技術者が選ぶ最新おすすめランキング

 

令和4年7月1日改正の電気通信事業法について
2022年7月1日以降の通信回線契約において、月額料金1ヶ月分を超える違約金の請求はできなくなりました。
これにより、ほとんどのWiMAXプロバイダーが契約期間の縛りなしプランを新設、最低利用期間を設けている事業者でも大幅に違約金が減額されています。
2022年6月30日以前に契約をされた方は適用外となりますのでご注意ください。

Broad WiMAX

Broad WiMAX

おすすめポイント

  • 契約期間の縛りなし
  • WiMAXプロバイダーで最安の月額料金
  • データ容量上限なし
  • サービスエリアが広い
  • auかUQスマホ利用者は割引有り

2023年2月27日〜 学割・引越しキャンペーン中!

初月無料 、半年間 671円(税込)を月額料金から割引

18歳~25歳の学生の方、もしくは学生の親御様名義の契約、または、申込み日含む3カ月以内に引っ越しをされた全ての方が対象

Broad WiMAXは高額キャッシュバックはありませんが、その分月額料金が安価に設定されています。

キャッシュバックには面倒な手続きも多いため、毎月の利用料金を確実に安くしたい人におすすめのプロバイダーです。

通信品質はWiMAX2+とau 4G・5Gの高速通信で、安定していてエリアも広いです。

また、サポート体制やサービス面も充実していて、店舗での端末当日受け取りサービスや豊富な料金プラン、おトクな特典が盛り沢山。

他社から乗り換えの場合は違約金を最大19,000円まで肩代わりしてくれます。

GMO とくとくBB

GMOとくとくBB

おすすめポイント

  • 高額キャッシュバック有り
  • オリコン顧客満足度2年連続1位
  • データ容量上限なし
  • 充実したオプションサービス
  • 申し込んだその日に発送

GMOインターネットの取り扱うWiMAX(とくとくBB)の最大の魅力は、なんと言っても高額のキャッシュバックです。

月額利用料金は若干高めの設定ですが、利用開始から12ヶ月目に高額キャッシュバックを受け取ることができます。

運営会社は実績20年以上のインターネットプロバイダーで、端末保証やインターネットセキュリティなどのオプションサービスも充実しています。

平日15時半、土日祝日14時までの申し込みで端末は即日発送。到着後すぐに利用可能です。

BIGLOBE WiMAX

おすすめポイント

  • WiMAX運営のKDDIグループ企業
  • 契約期間の縛りなし
  • SIMのみの契約もできる
  • 口座振替での支払いにも対応
  • 初月の利用料金は0円

BIGLOBEのWiMAXは契約期間の縛りなしで、端末を既にお持ちの方はSIMのみの契約も可能です。

月額料金1,166円〜4,928円のギガ放題プラス1択で、ご利用には端末を購入する必要があります。

口座振替での支払いにも対応(月額料金にプラス220円上乗せ)しているため、クレカがなくても利用可能です。

スマホがauかUQモバイルの方は、auスマートバリュー、UQ自宅セット割の割引制度も使えます。

  • この記事を書いた人

トミー

通信業界19年目。現役バリバリの移動体通信エンジニア・Webライターです。 モバイル通信やIPネットワークの他に、海外の通信事情などにも詳しいです。 当サイトの記事を全て執筆、作図や動画編集も含め全て一人で行っています。 このサイトでは、最高のモバイルインターネットに出会うための、お手伝いをしたいと思っています。 現役プロがお届けするモバイルWi-Fiの情報サイトで、これ以上のサイトはありません。

-モバイル通信コラム